私たちの宝である海を未来へつなぐため、さまざまなゲストをお招きして、海の魅力、海の可能性、海の問題についてお話を伺っていく「Know The Sea」。Podcastなどを介してお届けしているこのコンテンツは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。
今回は、海洋冒険家で浜名湖パドル代表の鈴木克章さんにお話を伺いました。浜名湖を拠点にカヤックで数々の挑戦を続け、海との深いつながりの中で活動する鈴木さんのロマンあふれる冒険の軌跡に迫ります。
浜名湖から世界へ繋がる冒険のフィールド
浜名湖パドル代表として活動する鈴木さんは、地元の自然を活かした多様なプログラムを提供しています。
「浜名湖は周囲140キロの大きな汽水湖で28本の川とつながり、幅200メートルの『今切口』で太平洋とダイレクトに繋がっているフィールドです」
その場所の特性を活かし、水深の浅いエリアでの自然体験プログラムをはじめ、川を遡って海との繋がりを体感するツアー、夜間に発光性のプランクトン「ノクチルカ」を見に行くナイトカヤックツアーなどを行っています。
鈴木さんは、他にもさまざまな活動にも取り組んでいます。
グランドメルキュール ホテル東京 結びビトプロジェクト:浜名湖地域の自然、歴史、人と人を結びつけるプロジェクト。
国立科学博物館 3万年前の航海徹底再現プロジェクト:後期旧石器時代の人々がどのような船で日本列島に渡ってきたのかを再現するもので、古代船を模した船によるコンパスなしの実験航海にプレイヤーとして参加。
古代船の制作:地元の大きな杉を使って古代の丸木船を制作し、身近な素材で乗り物が作れる体験を子どもたちや大人に提供。
こうした活動の根底には、幼少期に漁師町で育ち、水辺を遊び場にしていたという原体験があります。カヤックとの出会いは小学生の頃。一人で小舟を漕ぐ初体験が、そのスタートになりました。
カヤックの魅力:自然界に「スッと入っていける」感覚
鈴木さんにとって、カヤックの魅力は「自然界のフィールドの中にスッと入っていける」ことだといいます。
「エンジン船ではないのでエンジン音がなく、野生の動物たちもそこまで警戒しません。影響を与えずに自然の状態の中にスーッと入っていけるところは大きな魅力です」
その感覚は、32歳で始めたシーカヤック日本一周の旅で確信に変わります。4年弱、1190日かけて手漕ぎで日本列島を一周したこの大冒険は、彼の価値観を大きく変えました。
「3ヶ月連続でキャンプ生活をしてみると、今まで見えてなかったものが見えてきたりするんです。通常気にしていない部分の音だったりとかも聞こえ出したりしていく。より奥の深い自然と出会うことができるようになってきました」
すべての命を繋ぐ「海」の存在
長期間の野外生活を通して、鈴木さんの世界観は「地球環境から太陽系というところの枠が少し大きくなっていく」のを感じたといいます。
「日があがってくる、日が沈む。月にしてみてもムーンライズからムーンセット。途切れなく連綿と大きな自然の中で、人々も含めて、地球上の命も含めて繰り返していってるんだな、と感じました」
海での冒険は、「全てが繋がっている」という感覚を深くもたらします。
「天候の変化であったり、必ず連続性を持って全てのものが変化していく。日本の四季の変化というものも繊細に感じていくようになり、春一番という風の一つに感動をするようになりました」
また、インドのガンジス川カヌー旅にも挑戦。標高4,000mの氷河まで遡り、水がどこから来ているのかをたどる水の旅でした。標高7,000m級の山々を眺めながら、音が何一つない「天国のような場所」だったと振り返ります。
常に海と接し、冒険を続ける鈴木さんにとって、海はどんな存在なのでしょうか。
「私にとって海は、すべてを繋げてくれるものであり、命の源です。全ての命にとっての源であると感じます」
海の環境変化についても肌で感じているという鈴木さん。だからこそ、子どもたちに海の大切さを伝える活動も重要だと考えています。
「こうあるべきだというものはあまり得意としていません。そのフィールドに来る本人が、そこで感じられるということが大切です。海の上を旅することで、同じハートビートを感じる素晴らしい人たちと出会い、一緒に楽しみを感じられることが、私にとっては何よりの幸せです」
今回のゲストは海洋冒険家で浜名湖パドル代表の鈴木克章さんでした。ありがとうございました。

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