私たちの宝である海を未来へつなぐため、さまざまなゲストをお招きして、海の魅力、海の可能性、海の問題についてお話を伺っていく「Know The Sea」。Podcastなどを介してお届けしているこのコンテンツは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。
海のテクノロジー分野で世界を舞台に活躍する古野電気株式会社の野口竜太郎さんに、最先端の技術、未来を担う子どもたちへの教育・啓発活動についてお話を伺いました。
世界初の実用化から77年:進化を続ける魚群探知機
船舶機器のトップメーカーとして活躍する古野電機は、1948年(昭和23年)、古野電機は世界で初めて魚群探知機の実用化に成功しました。それから77年が経ち、その技術は驚くべき進化を遂げています。
「これまでは魚のいる・いないしか分かりませんでしたが、現在は魚の数量やサイズ、さらには魚種まで分かるようになりました。それによって『小さな魚がいるから、ここは網をかけないでおこう』といった判断が可能になります」
進化を続ける魚群探知機は、乱獲を防ぎ、持続可能な漁業を目指す「資源管理型漁業」の実現に不可欠な技術であり、海の資源を守るためにも大きな役割を果たしています。
海を未来へつなぐ教育──魚群探知機や海洋技術を活用した体験型学習
そうした海のテクノロジーの最先端を担う古野電気ですが、そのミッションは技術の提供だけにとどまりません。子どもたちへの海の教育や海の啓発活動にも力を入れていらっしゃいます。
「ソナーであったり、レーダーであったり、海のテクノロジーを提供していく中で、“豊かな海を未来につなげていく”ことを大切にしています。その一環として、子どもたちに海の魅力を伝えるための活動に力を入れています」
その具体的な取り組みのひとつが、2022年から行っている子どもたち向けの「海のお仕事体験プログラム」です。魚群探知機を使って海中のゴミを探索したり、養殖業者を支援するシステムを体験したりと、テクノロジーを活用したユニークな仕事を通じて、子どもたちは海と関わる面白さを学びます。最近では、「2050年の海の未来」をテーマにプレゼンテーションをしてもらうという企画型のお仕事体験も実施。野口さんは子どもたちの想像力に感動したとおっしゃっています。 「子どもたちの想像力は本当に素晴らしかったです。海と陸がシームレスにつながり、海の上にエレベーターがあって海底にテーマパークがある、水族館があるといった私たちが想像できないような、楽しい発想がたくさん出てきました」
海の課題を「見える化」!子どもたちが挑む海洋インフォグラフィックコンテスト
もうひとつの重要な活動が、海洋インフォグラフィックコンテストです。これは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として支援している取り組みで、子どもたちが海洋ごみや地球温暖化といった海の課題を「見える化」して発表するコンテスト。古野電機も審査員として参加しています。
「2024年度でFURUNO賞に選ばせてもらったのは、当時小学6年生だった中村蒼太さんの『アサリだけじゃない!潮干狩りの魅力』という作品。アサリだけではなく、生き物たちが暮らしていく場所にももっと目を向けてほしいというメッセージを伝えていました。このコンテストでは、小学生がグラフやデータを使って作成し、それをプロがインフォグラフィック化するため、小学生たちの伝えたい思いが、より明確になっていると感じています」
こうした教育分野に力を入れているのは、子どもたちの海離れといった背景がある中で、「未来をつくるのは今の子どもたち。その場をしっかりつくるのがミッション」と考えているためだとおっしゃっています。
無印良品や環境省などと大人も子どもも楽しめる海イベントを開催
さらに近年、古野電気は企業連携にも積極的です。この夏には、環境省、無印良品、海苔の養殖を行うすまうら水産と連携したイベント「海ってすばらSea!」を開催。Know The Seaにも登場していただいた「さかなのおにいさん かわちゃん」こと川田一輝さんのトークショーなど、大人から子どもまで1日中海と触れ合えるイベントには、昨年よりも多い約1,000人が来場したそうです。
また、9月には阪神甲子園球場で開催される「甲子園キッズフェスタ」でも、同社のアンバサダーを務めるさかなのおにいさん かわちゃんが登壇予定とのこと。野口さんは企業連携について
「一社だけではなかなかできないことでも、企業連携することで海と触れ合う場をつくっていけるので、私たちはこの連携を非常に大事にしています」
最新技術で海を見える化──古野電気が描く次世代の海洋サービス・製品
今後の展望について尋ねると、野口さんは「海のDX」と「AI」というキーワードを挙げました。
「気候変動や資源管理といった課題がこれからさらに出てくる中で、私たちの強みは『海の中を見える化する』こと。『海のDX』と銘打って、AIなど最新技術と連携していくことで、環境保全に貢献できるようなサービスや製品を提供していきたいです」。
AIも活用することで、海域にいる魚の種類をアルゴリズムで判定。そうすることで、種類判定の精度を高められるそうです。
子どもたちに「海への入り口」をたくさんつくっていきたい!
幼少期に兵庫県・淡路島の海で泳いで海好きを養った野口さん。最後に、子どもたちへ伝えたいメッセージを伺いました。
「まずは海を好きになってほしいということです。好きになることで、もっと海を知りたい!海を守りたい!という次のアクションにつながると思っています。海って楽しいから行ってみようよ、面白いんだよ、もっと知ることでもっと魅力が分かるよ、そういった入り口をたくさんつくっていきたいです」
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