SAKANA BOOKS スタッフ

川村まなみ

私たちの宝である海を未来へつなぐため、さまざまなゲストをお招きして、海の魅力、海の可能性、海の問題についてお話を伺っていく「Know The Sea」。Podcastなどを介してお届けしているこのコンテンツは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。

今回のゲストは、東京都新宿区愛住町に店を構えるサカナに特化した書店「SAKANA BOOKS」のスタッフ、川村まなみさんです。 SAKANA BOOKSはとてもおしゃれな空間に、サカナ関連の本がたくさん並んでいます。そんなSAKANA BOOKSの魅力と川村さんおすすめの書籍についてお話を伺いました。

釣り新聞社が運営する「魚愛」に満ちた書店

SAKANA BOOKSは、四谷三丁目駅から徒歩6分ほどの場所に位置し、その名の通り「サカナ」に特化した書籍を取り扱う書店です。

「運営しているのは『週刊つりニュース』という釣りの新聞やウェブメディアを展開している会社です」と川村さん。2022年7月に本格オープンしたSAKANA BOOKSは、単なる書店ではありません。

「釣りも魚に関わる文化の一つです。魚に関する文化や食文化、そして魚がいなければ釣りもできないし、楽しく触れ合うこともできない。そうした魚に関わる文化や環境を守りたいという思いでオープンしました」

店名からも、深い魚愛が伝わってきます。

週刊つりニュースの読者層は男性がメインというイメージがありますが、SAKANA BOOKSの店内は、男女問わず楽しめる雰囲気です。

「女性のお客様も多く、男女半々くらいですが、若干女性の方が多くいらしてくださっています。お客様の6〜7割は20〜30代が多く、お魚好きのお子さんもたくさん来てくださっていますね」

リラックスしてゆったりと過ごせる空間は、幅広い層に支持されているようです。

川村さん厳選!海の魅力が詰まったおすすめ3冊

現在、本のセレクトは川村さんがメインで担当しているとのこと。SNSや新刊情報サイトなどを駆使し、良質な書籍を厳選しています。そんな川村さんが今日、SAKANA BOOKSの店頭から特におすすめの3冊を持ってきてくれました。

1.『ビーチコーミング小事典: 拾って楽しむ海の漂着物』(著:林 重雄/文一総合出版)
「何の道具もいらずに、ただ海辺にフラッと行って始められるのがビーチコーミング。この本は、貝はもちろん、魚の漂着物など、本当に幅広く載っていて、見ているだけでもワクワクする一冊です」

写真も豊富で、図鑑としても楽しめます。夏に海へ出かける際に持っていけば、より一層海の散策を楽しめそうです。

2.『水族館人』(SAKANA BOOKS [編集]/文化工房)
ジンベエザメのイラストが印象的なこの本は、SAKANA BOOKS自身が出版した書籍です。
「水族館にまつわる、色々な方たちにインタビューした一冊です。『今まで見てきた景色が変わる15のストーリー』というキャッチフレーズの通り、飼育員さんだけでなく、水族館の建築に携わる方、魚の採集家、写真家、そして水族館をモチーフに漫画や作品を作る方など、水族館を取り巻く多様な人々の情熱が描かれています」

川村さん自身も、この本を読んで「水族館と一言で言っても、本当にたくさんの人の力で成り立っているんだな」と再認識したと言います。

さらに、今月には続編となる『水族館人2 情熱と未来をめぐる15のストーリー』が発売されるとのこと。ぜひ1と2を合わせて読んでみたいですね。

3.『水の世界のひみつがわかる! すごすぎる海の生物の図鑑』
(著:鈴木 香里武/KADOKAWA)
最後は、子ども向けの図鑑です。

「著者が鈴木香里武さんという、お魚王子としても知られる方です」と川村さん。
海の生物が網羅的に載っており、環境に関する情報も満載です。

「海についてまず知りたいという気持ちがあるお子さんにはもちろん、どの本から始めたらいいか分からない大人の方にもおすすめです。海の擬態する生き物なども紹介されており、読んでいるだけでも元気がもらえます。漢字にはふりがながついているので、小さいお子さんでも読めると思います」

この夏、海の自由研究にもぴったりの一冊です。

「水辺の生き物好き」が集う夢の空間

川村さん自身も、もともと淡水魚好きだったという意外な一面を明かしてくれました。
「小さい頃、井の頭自然文化園の水生物館という淡水にすむ水辺の生きものを展示している小さな水族館によく通っていたのがきっかけで、淡水魚が好きになりました」
大人になってからも、川で網を使って魚を捕まえたり、磯遊びで海の生き物を観察したりと、ワイルドな一面も。

SAKANA BOOKSには、魚好きの様々な人が訪れます。
「こじんまりとした空間ですが、魚だけでなく、イルカやクジラなどの哺乳類、イカやタコ、エビ、カニなどの無脊椎動物、淡水・海水問わず、あらゆる水の生き物や環境にまつわる本や雑貨を置いています。水辺の生き物好きの方々からは『夢のような空間です』と、嬉しいお言葉をいただくことが多いですね」

書店は、自分の好きなこととじっくり向き合えたり、思わぬ本と出会えたりする場所。SAKANA BOOKSはまさに、そんな「水辺の宝箱」のような存在です。

ちなみに、SAKANA BOOKSでは「タウオル」というユニークな品も販売しています。
「これは株式会社Sacanaさんが作ったオリジナル商品で、棚貸しスペースSAKANA APARTMENTでお取扱い中です(2025年7月現在)。魚の鱗、体の表面を印刷したタオルなんです。アマゴや渓流魚のニッコウイワナなどがあります。『魚に頬ずりができる』という歌い文句なんですよ(笑)」

魚好きにはたまらない、匂いも鱗もつかない、まさかの「魚と頬ずり」が叶うアイテムです。

SAKANA BOOKSでは、不定期で店内イベントも開催しています。

「8月23日の土曜日には、『クジラがしんだら』(文:江口絵理/絵:かわさきしゅんいち/監修:藤原義弘)という絵本のトークイベントを予定しています」

この絵本は、マッコウクジラが亡くなった後、その亡骸が海底に沈み、深海の生き物たちが集まってくるという、死んだクジラから始まる命の物語を描いています。

「クジラが亡くなると、その周りの環境が宇宙のようになる、という話を聞いたことがあります。まさに、その環境を知ることができる本です」

イベントでは、絵本の文と監修のお二人(予定)が登壇し、詳しくお話を聞ける貴重な機会となるでしょう。

SAKANA BOOKSで新たな「魚との出会い」を

SAKANA BOOKSは、営業時間が12時から17時半まで、定休日は毎週木曜日と金曜日です。最新情報は、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSで確認できます。

「営業日はいつもお店におりますので、おすすめの本など、ぜひご相談いただけたら嬉しいです」と川村さん。

魚好きも、そうでない人も、SAKANA BOOKSを訪れて、新たな「魚との出会い」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

このコーナーはAuDeeでも配信中です。ぜひアクセスしてみてください!

アーカイブ

  • 井植美奈子

    海の環境をおいしく守る「ブルーシーフードガイド」

    井植美奈子

    一般社団法人 セイラーズフォーザシー日本支局 理事長兼CEO

  • 畠山信

    「森づくりは、人づくり」かき漁師・畠山重篤さんの遺志を受け継ぎ未来へ

    畠山信

    牡蠣漁師、森は海の恋人 理事長

  • リサ・ステッグマイヤー

    ハワイの海が教えてくれること~オープン・ウォーターに魅せられて

    リサ・ステッグマイヤー

    タレント

  • 中村英孝

    日本初!「さかな」の専門学校で学ぶ若者たちの未来

    中村英孝

    日本さかな専門学校 学務課長

  • 村山司

    イルカの言語能力を探る旅

    村山司

    東海大学 海洋学部 海洋生物学科 教授

  • 矢澤良輔

    日本の漁業を変える可能性を秘めた“代理親魚技法”

    矢澤良輔

    東京海洋大学 教授