2024年6月からスタートした音声コンテンツ「Know The Sea」。私たちの宝である海を未来へつなぐため、さまざまなゲストをお招きして、海の魅力、海の可能性、海の問題についてお話を伺い、Podcastなどを介してお届けしていきます。このコンテンツは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。
今回のゲストは、ハワイでサーフスクール「Surfer Girl Academy」を主催されている糟谷未都(かすや みと)さん。サーフィンの聖地ハワイの海と文化、そして、海洋問題についてお話を伺いました。

もともとは世界選手権にも出場していたボディボーダー
ハワイ・ワイキキからリモート出演してくださった糟谷さんは、サーフスクールの代表ですが、もともとはボディボーダーだったそうです。まずはボディボードを始めたキッカケについて教えてくださいました。
「15歳の時に始めました。昔は神奈川県の鶴見に“ワイルドブルーヨコハマ”というスポットがありまして、そこにはウェーブプールがあって、ボディボードのレンタルをやっていたんですね。それを借りたのがボディボードを始めたキッカケです。そこからプールの中での試合といったコンテストに少しずつ出たりしながら、何年か続けていたら、今度は世界選手権に出場して成績を残すようになって。それがキッカケでもっとボディボードにのめり込んでいって、プロになるまでの道が始まりました」
ハワイを拠点に世界ツアーへ
ボディボードで世界ツアーに出場するなど好成績を残していたことから、アスリートビザを申請し、現在いらっしゃるハワイへ住むことになったとおっしゃっています。なぜハワイを選んだのでしょう?
「ワイキキから車で50分ぐらいのところに“ノースショア”という場所がありまして、そこが冬になるとすごく大きな波で、パイプラインとか有名なサーフポイントなんです。『チューブ』といって大きな波が巻く場所があったりして、そこで練習をしたりとか、コンテストに出場してもいました。そういったことから、うまくなりたいし、練習するならハワイの強い波だなと思って、ハワイを拠点に生活をして世界ツアーをまわっていました」
自分の体験をつなげていきたい!という思いからスクール開設
現在は「Surfer Girl Academy」を主催されている糟谷さんですが、スクールを始めたキッカケについて教えていただきました。
「私がボディボードを始める、海と関わることになったキッカケが、参加したスクールで『すごい楽しい』と知って、そこから自分の世界が広がりました。そのスクールに参加していなかったら、今のこの生活にはつながっていないと思うんですね。その海の楽しさを知るということ、そして、自分が体験したことを周りの人につなげていきたいと思って。自分が体験してきた感動を伝えたいという情熱が自分の中にありました。そして、自分に向いていることを始めたい、人とつながりたい、あとは自分がやっていることを通じてハワイにまた戻ってきてほしい、ハワイを好きになってほしいとも思っています。一生に一度しかやらない人もいるので、その感動とか喜びとか人の記憶に残ることをしたい、そういう強い想いがあって始めました」
そんなスクールには、下は3歳ぐらい、上は80歳ぐらいまでと幅広い方が参加しているとのこと。その皆さんにドラマがあるとおっしゃっています。
「80歳の方は一生に一度やってみたかったということで、スタッフ総出でお手伝いをして、サーフボードの上に一緒に立って。子どもから大人まで、常に新しい方がいらっしゃるので、新しいドラマがあって、そしてまた感動があります。ボードに立てた時って、おばあちゃんだと一緒に泣いちゃうみたいな感動なんですよね。日々の中でそういう情熱だったりとか、熱い想いだったりが感じられて、この仕事がやっぱり好きだなって思っています」

すぐそばにはアザラシやイルカもいるハワイの海
そんなハワイの海をよく知る糟谷さんに、ハワイの海の魅力について伺ってみると
「やっぱりハワイの海はすごくキレイで透明度があります。そして、サーフィンをしていても、カメがポコッと顔を出してきたり、“モンクシール”というアザラシがいるのですが、そのアザラシが泳いできたり、沖を見たらイルカが跳んでいたりします。サーフィンはそういう自然と一体化できるスポーツなんです。また、私のサーフポイントは周りに人がいなくて、左側にはダイヤモンドヘッドが大きく見えるみたいな。そのシチュエーションと流れる空気とかがとてもいいです」
ハワイに住む人はビーチクリーンが習慣に
一方で、海洋問題もあるとおっしゃっています。
「やっぱり観光地なので、そして島なので、ゴミ問題があります。ビーチには朝になると、ビールの缶が落ちていたり、ジュースの缶が落ちていたり、蓋のキャップが落ちていたりするんですよね。観光で人がいっぱい来るということは、ごみもやっぱり海にたくさん置いていってしまう人たちもいるので、そういう小さなことが目につきますね」
そのゴミ問題には、どういった取り組みをされているのでしょう?
「ハワイにはビーチクリーン活動が多くあります。あと、ローカルの方も含めて一人ひとりが、ゴミが落ちていたら黙って拾う。それが私たちの毎日の習慣ですね。その小さいことから大きく広がっていくので気をつけようと。例えば、海に行けば小さい魚から大きい魚がいてという連鎖がありますよね。そのお魚たちであったり、モンクシールであったりがプラスチックを食べないようにする。特にカメは、鼻にストローが刺さったり、亡くなったカメのお腹にビニール袋が入っていたりというのがあるので、そういうことをまずは私たち人間が陸から気をつけていく。それが全体的な習慣になっていますね」
家族全員がサーファー!波を探しに旅行へ
話題は変わってプライベートの話に。糟谷さんは2児の母とのことですが、お子さんも海に慣れ親しんでいるのでしょうか?
「私の家族は、夫がプロサーファー、17歳の長男はハワイ代表のサーフィン選手、11歳の次男も全米の試合で3位になっているぐらいサーファー家族なんですよ。私と夫も元々コンペティターでしたし。そういう環境なので、学校が終わったら、迎えに行って海に行くというのが毎日の習慣です」
そんなサーファー家族での恒例行事は家族旅行だそうで、その時もサーフィンは欠かせないとおっしゃっています。
「恒例行事が夏休みと秋休みに行く家族旅行。そこでは波がいい場所へと旅行に行きます。今年も10月に、夫がハワイ代表の選手として“ISA”という世界選手権でエルサルバドルに行くという話があって。そういう国になかなか行ける機会もないですし、ちょうど秋休みと重なるので、みんなでエルサルバドルに行こうという話で盛り上がっています」

レイの紐は海に投げないで欲しい
そういったサーフィン旅行だけではなく、海を守ることについても、家族でお話されていて、息子さんも小さい頃から海に浮いているゴム手袋であったり、欠けたプラスチックのバケツであったりを持って帰ってきているそうです。そんな中、ハワイならではのゴミ問題があると教えてくださいました。
「レイをよく海に投げたりするんですよね。例えば、結婚式だったり、亡くなった方のセレモニーであったり。地元の人達は投げる時に気をつけているのですが、観光客の方達はレイを紐が付けたまま投げてしまう場合があるんですね。そうなると、花はいつか溶けますが、紐だけは残るじゃないですか。その紐を亀が食べちゃったり、海に沈んだりしてしまうので、そういう紐を拾ったり、レイが海に流れていたら紐は持ってくるとかしていますね。もちろんハワイでお花を投げるのは思い出になるし、すごく素晴らしいことだ思います。けれども、その紐のことは知らないとわからない。だから、この音声コンテンツを通じて、ひとりでもそのことを知っていただいて、紐は取ってから投げるんだと覚えてくれたら嬉しいです」
自然とのつながりを長く濃く思い出に刻めるような場所づくりをしたい!
最後に、実現したい夢や未来についてお聞きしました。
「今の仕事をしっかりと安全に楽しく、人の記憶に残るようにしたいです。人を幸せにすることが、私のひとつの夢でもあるし、みんなが幸せになってくれれば、私も幸せなので。毎日、皆様に触れて皆様を喜ばせていく、それがずっと続いたらいいなと思いますね。あとは、今まで私は夢をたくさん叶えてきたので、人の夢を応援していきたい、叶えていきたいです。よく相談されたりするのですが、心からその人の願いが叶えばいいなと思っているし、私はそういう人達の夢を叶える側にまわって、叶えられたことに喜んでいくという立場になっていきたいなと思っています」







