海と日本プロジェクトinふくおか事務局

河上祐輔

2024年6月からスタートした音声コンテンツ「Know The Sea」。私たちの宝である海を未来へつなぐため、さまざまなゲストをお招きして、海の魅力、海の可能性、海の問題についてお話を伺い、Podcastなどを介してお届けしていきます。このコンテンツは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。

今回のゲストは、海と日本プロジェクトinふくおか事務局で、RKB毎日放送の東京支社営業部の河上祐輔(かわかみ ゆうすけ)さん。福岡での海にまつわる活動の数々についてお話を伺いました。

県内だけではなく、県外からも参加者が

全国各地に事務局がある海と日本プロジェクト。まずは、ふくおか事務局にはどんな方が参加されているか教えていただきました。

「漁業従事者や地域のインフラ企業の方々、魚を取り扱っている飲食店の方が多くはなっています。ただ、実際にイベントや物事を行う中での参加者という意味でいうと、県内だけではなく、福岡県外からも、海を愛している、学びたいという方が参加しています。九州は車で移動する文化圏ですので、佐賀、熊本、大分といった近隣の県から、車を使ってイベントへ参加しに来てくださる方も多いです」

最近では鉄道会社とタッグを組んでのツアーも実施!

活動はどんなことをされているのでしょう?

「子どもたちを対象に、海を啓発するようなイベントを2~3日間かけて行ったり、地域の企業と連携して海が楽しくなるようなオリジナルの商品を制作したりしています。最近では、“平成筑豊鉄道(へいせいちくほうてつどう)”という福岡にある鉄道会社と連携しています。その会社には、“ことこと列車”という観光列車があり、中がレストランになっていて、鉄道のデザイナーで有名な水戸岡鋭治(みとおか えいじ)さんがデザインしたものとなっています。この列車で、今まで提供されていた料理を全て福岡県産の海のものにするというアレンジを加えてもらい、その料理を味わってもらうツアーの提供ということも行っています」

周りの田畑の風景を見ながら、地元の料理を楽しむという人気のツアーだそうですよ。

「全国で漁獲量1位の鯛×アジアトップクラスのシェフ」の料理

料理が自慢の「ことこと列車×海と日本プロジェクトinふくおか」。どんな食材や料理なのかについて伺ってみると

「通常、海のものがメインの列車ではないのですが、期間中は『海とつながることこと列車』と銘打って、海と日本プロジェクトinふくおかとコラボ企画という形で平成筑豊鉄道さんにお願いしています。食材は地元のアワビ、そして、福岡は鯛の漁獲量が全国1位ですので、鯛を使った料理。そのほかデザートに至るまで、海をイメージしたものを提供しています」

そんな「海と日本プロジェクトpresents海とつながることこと列車」は、抽選となるほど大好評だそうです。

「料理を監修されたシェフも、福岡のレストラン“Goh”というアジアトップレストラン50にも入った素敵な方で、そのことも話題を呼びまして。私が乗った際には、『4回目の参加です』というファンの方と出会いまして、『毎回よく抽選が当たりますね』と話したリピーターの方も乗車してくださっていました。また、去年から始めている企画なのですが、3回目のカップルもいらっしゃっていて、ありがたいくらいに好評の企画となっています」

料理だけではなく、風呂敷にもこだわりが

さらに、好評なのは料理だけではないと教えてくださいました。

「料理がお弁当で出てくるのですが、それを包む風呂敷も、地元アーティストのNONCHELEEEさんに描いてもらったイラスト入りのオリジナル風呂敷です。そのNONCHELEEEさんがイラストを始めたキッカケが魚屋さん。魚屋さんに勤めていた頃、魚をPRするために、例えばアナゴならアナゴの絵を描いたり、カニならカニの絵を描いたり、自分のイラストのポップを店頭に並べていて、イラストの勉強をされていたんです。今はイラストを専門にされていますが、もともと海に思い入れのある方だったので、この企画にも賛同してもらい、風呂敷やランチョンマットなどで海をイメージしたデザインを手掛けてくださいました。それも参加した方から非常に好評となっています」

セブンイレブンともコラボ

こういったコラボ企画はほかにもあるそうで、そのひとつがセブンイレブンとのコラボです。

「去年、セブンイレブンさんから『福岡フェアを行うのですが、福岡らしい食材やストーリーのあるものがないですか』と、お声がけをいただきまして。鯛を卸されている会社さんをご紹介し、共同で商品を開発してキャンペーンをしました」

どんな商品を開発したのでしょう?

「鯛だしを使ったラーメン、お茶漬け、鯛めしを使ったおにぎりなどを提案し、実際に販売までしました。鯛が福岡で有名ということを知らない方もいて、フェアを通して『福岡は本当に鯛がとれるところなんですね』と、地元の方から言ってもらう機会も多かったので、良い食と学びの循環が生まれたのではないかなと思います」

使用した鯛は、真鯛1匹を無駄なく丸ごと使うなど、環境にも配慮していると教えてくださいました。

「鯛の骨はかなりしっかりしていて、調理するにも加工するにも曲者でして。そういった加工だったり、鯛の処理であったりを専門にされている地元の企業さんを紹介してもらって、初めて出会いました。そういう意味では、私たちも学びがありまして、それを“食”という入り口からキャンペーンとして地域にPRすることができたと思います」

海・山・自然が楽しめる“志賀島”がおすすめスポット

ことこと列車やセブンイレブンとのコラボなど、さまざまな活動をされている海と日本プロジェクトinふくおか。事務局の一員として携わっていると海への意識も変化したとおっしゃっています。

「海で遊ぶことはありますが、海について学ぶことは少なかったです。そんな中、学ぶにつれて、海は何事にもつながっているとわかりました。例えば、セブンイレブンさんと共同してオリジナル商品もつくった一方で、山のものを使って果物を使った商品開発というのも別で行ってはいます。けれども、そういったところにも海がつながっていく。良い状態の山をつくるには良い状態の海がないとつくれないわけで。また、良い状態の山じゃないと、果物だったり、野菜だったりが良い状態で育たない。海も山も森もつながっているところはすごく意識するようになりました」

そんな河上さんに、福岡のおすすめスポットを伺ってみると

「最近は“糸島”が人気ですが、私は“志賀島”。金印が発掘されたとして有名な島で、福岡市内からも車で行けるんですよ。“海の中道”という両側が海に挟まれた一本道を通っていくと、志賀島に着きます。ある程度の広さもあって、山もあるので、それこそ海を感じて山を感じて自然を楽しめる場所なので、そこが一番好きです」

多方面から海への想いを乗せて活動していく

最後に、今後の活動やビジョンについて伺いました。

「いま行っていることを軸に、さまざまなことにチャレンジしていきたいと思っています。その際、こういった活動でどうしても求めてしまうのが、海について知ってほしい、海について学んで欲しいというのがあります。ただ、それを一方的に打ち出しても、発信していっても、なかなか世の中を動かせない。世の中にムーブメントを与えるには、一方的な発信では限度があると思っています。そこで、先ほどお伝えしたようなセブンイレブンさんもそうですし、流通さん、メーカーさんとのキャンペーンをつくる中の一部で、海を感じてもらう。その生活・日常の導線の中に、海と日本プロジェクトの想いをのせるということを多方面で行っていきたいです。その上で、まずは、楽しいだったり、嬉しいだったり、おいしいだったりから次のステップにつなげていく。それがお互いに健全なコミュニケーションの広がり方だと思うので、そこを意識しながら色んな方と色んなコミュニケーションをとっていきたいと思います」

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