シンガーソングライター

さらさ

2024年6月からスタートした音声コンテンツ「Know The Sea」。私たちの宝である海を未来へつなぐため、さまざまなゲストをお招きして、海の魅力、海の可能性、海の問題についてお話を伺い、Podcastなどを介してお届けしていきます。このコンテンツは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。

今回のゲストは、シンガーソングライターのさらささん。神奈川県の湘南生まれ湘南育ちにも関わらず、出会い直したとおっしゃる海についてお話を伺いました。

赤ちゃんの頃からやっていたフラダンス

歩いて1分、目の前が海という環境で生まれ育ったさらささん。さらに、父親がサーフィンのウエットスーツのお店を経営、母親がフラダンスの先生と、海に関わりの深い両親なのだそう。さらささんもその影響はあったのでしょうか?

「フラダンスは子どもの頃からやっています。コロナ禍に入ったぐらいから、なかなか仕事も忙しくなって行けていませんが、自分の中にはずっとありますね。物心つく前からレッスンに連れて行かれて、赤ちゃんの時からだったので、気づいたらなんか踊っていたみたいな感じです。ただ、そういうものだと思ってやっていて、昔からあんまり好きではなく、フラダンスは生活になっていました」

両親の仕事の関係でハワイへ

フラダンスの本場はハワイ、そして、サーフィンの聖地もハワイ。そのため、ハワイにもよく行っていたとおっしゃっています。

「フラダンスの先生がハワイのカウアイ島の人で、お父さんも自分のウエットスーツの会社でスポンサーをしている選手達を強化合宿というような形で、毎年1、2ヶ月ほど波がいいところに連れて行っていたので、それについていってました。」

ハワイでは一体どんな過ごし方をされていたのでしょう?

「カウアイ島も田舎ですし、波がいい地域も田舎なので、何もやることがなくて。朝起きると、みんなが海に行くから海に一緒に行って、ぼーっとして。早く帰りたいな、テレビ見たいみたいな。そして、プレートランチとかを食べて、あとは帰ってみんなでご飯をつくってという生活です」

この3年で「海と出会い直し」

フラダンスが昔からあまり好きではなかった、ハワイで海に行っても早く帰りたいと思っていたように、あまり海への興味がなさそうです。しかし、コロナ禍で心境の変化があったと教えてくださいました。

「新型コロナウイルスがキッカケで、外に出られず、ずっと家にいて。やることないから海に行っていました。毎日海を見ていると、波が荒れている日もあるし、静かな日もあるのを知って『海ってずっとここにあったんだ』と出会い直して。すごく心が癒されるな、風が気持ちいいなとか、そういうことをこの3年ぐらいで感じるようになりましたね」

ファーストアルバム「INNER OCEAN」に込めた想い

2022年にリリースしたファーストアルバムが「INNER OCEAN」。海を意味する「OCEAN」がタイトルに入っていますが、海に出会い直した後の影響だとおっしゃっています。

「海や湘南っぽく見られるのが嫌で、海という単語、湘南出身も言いたくなくて。けれども、出会い直していく中で、海と人は似ているなと思って、そこから『INNER OCEAN』というタイトルをつけたんです。穏やかに見えても実は流れが速かったり、水面下で渦巻いていたり、そういう外から見えないけれども、海の中では何かが起きているという姿は人もそうじゃないですか。外からは見えないけど、色んなもの感じていたり、揺れ動いていたりというのが人みたいだなという意味合いで『INNER OCEAN』というタイトルをつけたので、海と出会い直したのがひとつのキッカケですね」

湘南出身を言いたくなかった理由とは?

以前は「湘南出身」と言いたくなかったとおっしゃるさらささん。その理由は何だったのでしょう?

「なんて言うんですかね。いいところではあるんですよ。気持ちいいし。いい部分ももちろんありますが、外の人が見る湘南に対するステレオタイプのイメージみたいなものが、あまりにも自分の生まれ育ってきた湘南とかけ離れすぎていて。その湘南のイメージを押し付けられることが嫌でした。アッパーだったり、みんな日焼けしていて前髪をかきあげたりみたいな」

しかし、今では受け入れられたとおっしゃっています。

「自分の楽曲をリリースしていく中で、湘南生まれと言っていなくても、楽曲に海や自然を感じると言われることがすごく増えて。自分がそういう風に見られたくないと思っても、自分の中のアイデンティティとして根づいてしまっているんだなと思って。自分の考えていることや表現していることは、強く影響しているんだと思った時に、初めて受け入れられました。自分では全く海や自然をイメージした楽曲とは思わなくて、人に言われてそうなんだと。全く海をイメージしてつくったこともないので不思議ですね」

ここ砂浜だったはず・・・。感じる海の環境の変化

海のそばで育ってきたさらささんに、海の環境の変化で感じることを伺ってみると

「年々、砂浜が狭くなっていると感じています。散歩をしていたりすると、海面が上昇しているのか、砂浜がどんどんなくなっているな、前はここまで砂浜だったよなと思いますね」

そんな中、環境を守る活動は身近だったとおっしゃっています。

「父親が毎週日曜日に海へゴミ拾いにビーチクリーンへ行っていました。それに海に行った時、ゴミがあったらみんな拾いますし。地元の人たちは、当たり前に海に感謝してキレイにしようということをやっています」

ツアーグッズやCDジャケットは環境に配慮したものに

そういった中で、さらささんも、ライブで販売するグッズの制作では、できる範囲で無駄を無くして地球に負荷が少ないものにしているそうです。

「Tシャツは、新しい生地で大量生産することに対して違和感があったので、古着を自分で買いつけてきて、上からシルクスクリーンでロゴを刷っています。もとが古着だから毎回1点ものなので、ライブごとに買ってくださる方がいたり、古着をディグする感覚で探してくれたり、それを皆さん楽しんでくださっていて」

そして、CDジャケットも毎回“紙ジャケット”になっています。ここにもこだわりがあるのでしょうか?

「最初CDを出すとなった時に、そもそも今の時代にCDを買う人がいるのかなと思っていて、つくる必要ありますか?という感じだったんですけど、欲しいという人が多くて。まだCDもちゃんと求められているんだと思いました。そこで、つくろうとなった時に、プラスチックでというのがなんか違うなと思い、紙のジャケットにしました。ただ、紙ジャケだからといって無害という訳じゃないですし、また別の問題があるなど、メリットもデメリットもあると思います。でも、その中で、自分が何を大事にするかというところで、プラスチックより紙を選ぼうと思って紙ジャケを毎回使っています」

選べる選択肢があるならサステナブルを選ぶ

環境に配慮したグッズやCDジャケットにされてらっしゃるさらささんに、最後に、その意識はどこから来るのか伺いました。

「世代的なものもあると思います。今26歳ですが、高校生・大学生ぐらいの時にはサステナブルな考え方などが、だんだん若い世代を中心に広まってきていたタイミングだったので。持続可能な世界であって欲しいとも思います。だから、自分の中で違和感があったり、良くないと分かっているのに誤魔化してやるというのは、やっぱりダサいよなと思っていて。完璧にやることはできないですけど、自分で選べる選択肢があるのであれば、それを選ぼうと思ってつくっています」

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