2024年6月からスタートした音声コンテンツ「Know The Sea」。私たちの宝である海を未来へつなぐため、さまざまなゲストをお招きして、海の魅力、海の可能性、海の問題についてお話を伺い、Podcastなどを介してお届けしていきます。このコンテンツは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。
今回のゲストは、「海を守るとはどういうことだろう」をテーマにしたTVK(テレビ神奈川)制作ドラマ「アイメイド・マーメイド(テキストリンク:https://www.tvk-yokohama.com/umimaid/)」の監督の武田かりんさん、主人公の妹・凪(なぎ)を演じた#KTちゃんのおふたりです。ドラマについてはもちろん、撮影を通して気づいた海についてお話を伺いました。
注目のドラマ「アイメイド・マーメイド」のあらすじ
8月4日から放送がスタートしている全4話のドラマ「アイメイド・マーメイド」。主人公は、南の島、ではなく、本当は神奈川県の三浦半島出身で、秋葉原のメイドカフェでナンバーワンメイドとして働く海音(あまね)。あらすじはというと、メイドは天職で楽しくて毎日働く海音ですが、ある日3年ぶりに帰郷してみると、実家がやっている海辺の定食屋の外観はボロボロにで、そこには閉店しましたという張り紙が。ひとりでお店を切り盛りしていたおばあちゃんから「大型ショッピングモールができ、お客さんが来なくなった」と告げられます。今は亡き大好きだったお爺ちゃんの飛雄(とびお)が残したメッセージ「海を守れ」という意思を継ぐべく、海音は定食屋をメイドカフェにしてオープンすることを決意します。そして、おばあちゃんや妹の凪を巻き込みながら、メイドカフェを成功させるため、さまざまな困難を乗り越えていく。そして、その中で、海音は海を大切にする気持ちを探していくというハートフルコメディーです。そんなドラマ「アイメイド・マーメイド」で、注目して欲しいことがあると監督の武田さんはおっしゃっています。
「1話ごとに、海音のもとに海を守ることについて教えるためのゲストキャラクターが登場することになっています。個性豊かな海からの使いにも注目して欲しいです」
キャストは、主人公・海音を演じる中村守里さん、おばあちゃんに斉藤慶子さん、おじいちゃんに板尾創路さんといった豪華な方々が出演しているそうで、「キャラクターが濃くて、現場もすごい楽しかったです」と武田さんは振り返っています。
ドラマ制作を通して知った海の問題
ドラマを制作するにあたり、監督の武田さんは海について色々なことを調べたところ、たくさんの驚きがあったそうで
「最終話だけ脚本を書かせて頂いたのですが、それを書く時に海について調べたら、私自身も知らないことがたくさんあって驚きました。例えば、海のごみ問題を他人事に考えていたんですよね。自分は海にごみを捨てたことなんて一度もないし、私は何も悪いことはしてないというつもりでいたんです。でも、調べていくうちに、その海のごみの出どころが家庭ごみの漏えいだったり、川に捨てられたごみが海へ流れ着いていたり。そういう自分の身近な生活の中から出てきている問題なんだということを知りました。そして、生活の中で意識することが海を変える第一歩になるのかもしれないと考えました」
ドラマの撮影をキッカケに変わった海への意識
そんな武田さんに海が好きだったり、海に縁があるのかを伺ってみると
「すいません。実は海にあんまり行かなくて。日焼けとかヤダなみたいな感じで、もう何年も海に行っていなかったんです」
海とは縁遠いことを告白。さらに、#KTちゃんに「(監督は)撮影中も長袖をずっと着ていました。長袖長ズボンで」と撮影の裏側を話されていましたが、ドラマの撮影をキッカケに海への意識が変わったと教えてくださいました。
「ドラマの撮影で久しぶりに神奈川県の三浦の海へ行って、海いいなとすごく感じました。自分がそうやって意識して、まず知ることが海を守る第一歩だと思います。私は都内から近い三浦の海ですら、あまり行ったことがなかったのですが、行ってみたらすごくきれいな青色の海で。都内からちょっと行けばこんなにきれいな海に行けるんだということを知って、海の魅力をもっとたくさん伝えたいなと思いながらドラマを撮影していました」
「海を守るとはどういうことだろう」というテーマに監督も悩んだ
「海を守るとはどういうことだろう」がテーマのこの作品。ドラマに登場するお店にも「海を守れ」という海音の祖父・飛雄の教訓が出てきますが、武田さんはどういった演出で視聴者に伝えようとしたのしょう?
「海を守ることに正解がないと思ったので、ちょっと悩みながらでした。ただ、そうやって海のことを考えている時間とか興味を持つ気持ちとかが、海を守ることに近づいていくんじゃないかと思って。そこで、明るく前向きで素直な海音ちゃんが、海に純粋に興味を持ち、海のことをもっと知りたいとなっていく姿を等身大に撮っていくことで、視聴者の方にも海に興味を持って欲しい、もっと知りたいという気持ちになってもらいたいなと思いながら撮影しました。結果として、メイドのみんなを元気にする、みんなを巻き込んでいくパワー、それに加えて、海を守ることを伝えるという部分が、うまく組み合わさってとてもステキなドラマになったんじゃないかと思います」
今回のKnow The Seaで初めて知ったオファーの理由
続いて、主人公の妹で、いつもヘッドホンをしていてラップとグラフィティーが得意な“凪”を演じた#KTちゃんに話が移ります。本業はヒップホップのMCのため、監督の武田さんに聞いてみたいことがあったそうです。
「演技は初挑戦でした。私はラッパーですが、演技でオファーをしていただいたことにすごく驚いて。どうして私にオファーしてくださったのか監督に聞いてみたいです」
その疑問について武田さんは
「当初の企画段階から、ラップ好きの少女として#KTちゃんを登場させようという話はもう出ていて。海とラップで若者をターゲットにしたいという気持ちが最初からあったので、Z世代の#KTちゃんには、若者が興味を持つキッカケとなってくれるのではと思ってオファーしました」
オファーの理由を聞いた#KTちゃんは「うれしいです!ありがとうございます!」と喜んでいました。
“凪”は噛めば噛むほど味が出るお魚のような役
では、演技に初挑戦した#KTちゃんが演じた“凪”は、一体どんなキャラクターだったのでしょうか?
「主人公の海音というお姉ちゃんは、明るくてみんなを引っ張っていく、思ったことを言葉にしてどんどん前に突き進んでいく役です。その反面、凪は、静かで自分が思っていることをなかなか表に出せないという性格で。ただ、何も考えてないわけじゃなくて、海に対しての愛だったり、家族に対しての愛だったりが大きいからこそ、密かに想いを募らせているという役で、そこが見どころです」
また、監督の武田さんも撮影前の段階から凪へのイメージがあったそうで
「脚本の時から凪ちゃんのキャラクターは、内気だけど、実は心の中でたくさん思っていることがあって、それをラップにのせて伝えるというギャップがある女の子にしたいなと思っていました。#KTちゃんには、すごくステキに演じてもらえてよかったです」
海の音を聴きながらリリックとメロディーづくり
そんな#KTちゃんにとって、海はどんな存在か伺いました。
「私は横浜出身なので、江ノ島だったり、逗子だったり、湘南の海はすぐそばにあって、学校でもよく行く機会がありました。夏は友達と一緒に『ちょっと海に遊びに行ってみようか』とよくなっていましたし。おとといも浜辺に行っていますので、海は身近な存在ですね」
また、ヒップホップMCならではの撮影中のエピソードも教えてくださいました。
「撮影の時は、海の音がすごく心地よくて、ザブーンザブーンという音が常にしていて。撮影の合間にひとりでふらっと浜辺の方まで行って、海の音を聞きながらリリックだったりメロディーの連想をしたりしていました」
ドラマのテーマソングも#KTちゃんが担当
#KTちゃんはドラマのテーマソング「beach speech」も担当。海に対する問題や想いを歌詞にしたとおっしゃっています。
「『beach speech』は、凪ちゃんとして今回のお話の海に対する問題だったり、想いをリリックにしました。ドラマの1話から4話のそれぞれでリリックを変えていて、そのお話のテーマごとに合わせて書いています」
このテーマソングに監督の武田さんも絶賛!
「劇中の物語にピッタリの歌詞を書き下ろしてくれて、すごく感動しました。それに劇中の凪ちゃんは、韻を踏んだセリフが少し入っているんですけど、そこのセリフも一緒に考えてくれて。そこにも注目してくれたら嬉しいです」
ドラマを観て「海を守りたい」と思うキッカケになって欲しい
最後に、おふたりに「ドラマに携わって海への意識は変わりましたか?」と伺うと、#KTちゃんは
「変わりました。自分ごとにして捉えないと何も変わらないんだなって。海の問題については、学校でも教えてもらっていたし、メディアとかを通じて海洋ごみ問題やフードロスとかもよく耳にしていました。にもかかわらず、やっぱり自分自身のこととして捉えていなかった自分がどこかにいて。今回、このお話を通して、自分のごみじゃなくても海のごみだったら拾うとか、食べ物も残さず食べるとか、自分ができる身近なことからやっていこうと思いました。そういう気持ちを一人ひとりが持てば、大きな規模で変わるじゃないですか。一人ひとりが『私の問題でもある』『おいしいお魚を未来も食べていきたい』『大切な海を守りたい』と思うキッカケにドラマがなってくれたら嬉しいです」
そして、武田さんは
「一人ひとりの心がけは小さなものなのかもしれないですけど、それが大きくなれば、きっと大きく変わっていくと思うので、一人ひとりが海のことを自分ごととして考える、そんなキッカケになるドラマになったら嬉しいです」






