2024年6月からスタートした音声コンテンツ「Know The Sea」。私たちの宝である海を未来へつなぐため、さまざまなゲストをお招きして、海の魅力、海の可能性、海の問題についてお話を伺い、Podcastなどを介してお届けしていきます。このコンテンツは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。
今回のゲストは、一般社団法人「みんなでびぜん」事務局長の杉本宗一(すぎもと そういち)さん。岡山県日生(ひなせ)諸島での活動、瀬戸内4県と日本財団が行っている海洋ごみ対策についてお話を伺いました。
行列するほど人気のB級グルメがある日生
リモートの画面越しでも日焼けされているのがわかる杉本さんが事務局長を務めていらっしゃる「みんなでびぜん」は、岡山県備前市日生に本拠を置く組織とのことです。まず、その日生はどういった場所なのでしょう?
「“頭島(かしらじま)”に拠点がありまして、周囲には多くの島、穏やかな海に牡蠣筏(かきいかだ)が並んでいるような最高のロケーションです」
そんな日生は牡蠣が有名で、11月半ば頃からがシーズン真っ盛り。多くの方が買いに来るそう。大人気B級グルメもあるとおっしゃっています。
「牡蠣のお好み焼き、通称『カキオコ』というB級グルメが有名で、朝から観光客の方がお店に並んでいます。大きなプリプリの牡蠣が乗っていまして、非常においしいです」
瀬戸内4県が協力して取り組む海洋ごみ対策
続いて、「みんなでびぜん」はどんな活動をしているのか教えてくださいました。
「我々は子どもたちに海ゴミなどをテーマにした海洋学習を提供していました。そんな中、『瀬戸内オーシャンズX』というプロジェクトが始まりまして、非常に興味があり、参加させてもらいました」
瀬戸内オーシャンズXは、岡山県、広島県、香川県、愛媛県の瀬戸内海に面する4県と日本財団が協力するプロジェクト。具体的にはどんな活動をされているのでしょう?
「海洋プラスチックごみの問題が深刻化する中で、岡山県・香川県を中心に、瀬戸内海の島において、日常では行けないアクセス困難な海岸でゴミの回収活動をしています。夏場は暑いので春秋冬を中心に取り組んでいます」

多い時は200人以上が参加する大作戦に
アクセス困難な場所での清掃活動とおっしゃっていますが、どのように行っているのでしょう?
「“上陸舟艇”という船を桟橋の代わりにします。その横に乗客船をつけてボランティアの方に上陸してもらい、ゴミを回収する活動をしています。参加者は100~200人の時もそれ以上来る時もあるので、そういう場合は船をもう一隻増やすなどしています。その募集は、地域の団体さんと連携しながら学校へ呼びかけたり、あとはホームページ等で一般の方も参加できるようにしたりしています」
最初は80人ほどの参加者だったそうですが、今では多い時は大規模になっているとのことです。

足の踏み場もないほど大量のごみが散乱
その海洋ごみ回収活動の際、どんなゴミがあったのか伺ってみると
「漁業が盛んな地域ですと、漁具などが多く見受けられます。その他は生活系のごみですね。ペットボトルやプラスチックごみが多く見受けられまして、酷い場所ですと海岸に足の踏み場もないぐらい生活系のプラスチックゴミが多く散乱しています」
参加者の中には子どももいるそうですが、大量のゴミを見てどんな反応をするのでしょう?
「普段こういう光景を見たことがないので、やっぱりびっくりしています。また、こういうイベントとかに参加しないとその光景は見られないので、日常から色々考えていきたいという声もいただいています」
回収したゴミは、上陸舟艇に市役所のゴミ回収車などを積んでいて、それで持って帰ったり、市役所や専門の団体にお願いして処理したりしているそうです。

誰もが「ごみを回収する」という目標に向けて一緒に取り組む
数多くの海洋ごみを回収していると、どんな想いが芽生えてくるのでしょう?
「暮らしが豊かになると便利になっていきますが、その分プラスチックも増えてゴミが増えてきます。ですので、できるだけ回収していく必要があると思っています」
また、瀬戸内オーシャンズXについての想いも伺いました。
「こういうプロジェクトがあるおかげで、4県で知り合いもでき、みんなで情報交換しながらお互い助け合っています。各県や業種、大人も子どもも関係なく、みんなで取り組んでいて、一緒にゴミを回収するという目標に向けて行う非常に素晴らしい活動だと思っています」
子どもに体験プログラムを提供する「ひなせうみラボ」
続いて、話題は変わり、「みんなでびぜん」が運営している「ひなせうみラボ」について伺いました。どんな施設なのでしょう?
「約40年前からアマモ場再生活動を日生で行っていまして、その活動を中心に、修学旅行や1日研修で子どもたちにさまざまな体験プログラムを提供する学習施設になっています」
周囲は海と島という最高の見晴らしだそうです。

シーカヤック、底引き網漁などさまざまな海体験を提供
具体的にはどんな体験ができるのか教えてくださいました。
「アマモの流れ藻を回収したり、そこからアマモの種の選別をしたりしています。そのほかにも、シーカヤック体験や海ゴミを拾ってのアクセサリーづくり、漁師さんにお願いして底引き網漁など色々と提供しています」
子どもたちも体験するととても楽しんでいるそうで
「子どもたちも非常に喜んでキャッキャと遊んでいます。最近は海を身近に感じる場所が少ないので、ここに来て海を身近に感じる、海を大切にすることを知ってもらっています」
海洋ごみは街由来のごみが多数。それを減らすために・・・
もともと海が好きで、「ひなせうみラボ」がオープンした3年前から参加し、この施設の運営を行っている杉本さんに、最後は皆さんに伝えたいメッセージを伺いました。
「瀬戸内海は内海ですので、外からのゴミが少ないんですね。ですので、自分たちが出したゴミが、山や町から川や水路を通じて流れてきているので、日々そういうゴミを少しでも減らせるように、みんなでできることから協力していけたら。そして、瀬戸内オーシャンズXがそういうみんなをつなげていくという素晴らしい役割になっているとも思います」






