ハワイに住むnetとKAUKAU webの編集長

米倉尚子

2024年6月からスタートした音声コンテンツ「Know The Sea」。私たちの宝である海を未来へつなぐため、さまざまなゲストをお招きして、海の魅力、海の可能性、海の問題についてお話を伺い、interfm番組内やPodcastなどを介してお届けしていきます。このコンテンツは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環です。

今回のゲストは、ハワイに住むnetとKAUKAU webという2つのWEBサイトで編集長をしていらっしゃる米倉尚子(よねくら なおこ)さん。6月22日(土)に放送されたInterfmの番組「iHeart Hawaii」内で、ハワイと海についてお話を伺いました。

ハワイ在住14年!日々、足で稼いでいる情報をWEBで発信

もともとは東京でヘッドハンティングのコンサルタント業をしていた米倉さんは、今の会社から仕事のオファーをもらったことでハワイへと移住したそうです。そして、もともと海が大好きだったこともあり、今や永住することにしたとのこと。昨今の物価高には悩まされつつも、海がすぐそこという最高のロケーションに住んでいる今の米倉さんのお仕事は、2つのWEBサイトの編集長です。どんな情報を発信しているのか教えて下さいました。

「ハワイに住むnetは、ハワイに移住したい方、デュアルライフを送りたい方に向けて、ハワイ移住、ビジネス、不動産、そして、ライフスタイル情報を届けています。一方で、KAUKAU webは、短期のハワイ旅行者に向けて、レストランやショップ、観光スポットなど、ハワイ旅行に関する情報を毎日のように取材・発信しています」

ハワイに住むnetでは、さまざまな物件を扱ってらっしゃいますが、やはりハワイといえば不動産でも、海とロケーションが何よりも大事だそう。特に「海の色が美しい」とおっしゃっています。 「光もたっぷり注ぐ島なので、色がはっきりくっきりしてますね。特に海の色に関しては、『サンドボトム』と呼ばれる下が砂地になっているところは鮮やかな青です。そして、海が一気に近くなるようなリーフだと影ができて、それはそれでまたとても美しいですね」

ワイキキビーチでもイルカたちに遭遇!

ハワイといえば有名なのが、イルカ!現在は、イルカに近づいて泳ぐ、一緒に泳ぐためにイルカを追いかける行動は、海を守るために禁止となったそうです。けれども、イルカウォッチングのツアーはたくさんあるとのことで、米倉さんも驚きの体験をしたとおっしゃっています。

「長年ワイキキのビーチで泳いでるんですが、今回初めてイルカの一群に遭遇しまして本当に驚きました!ジャンプしながらみんな去っていきました!」

そのほかにも、ハワイでは親子イルカが見られる時があり、その姿は本当に癒されるとのこと!ちなみに追いかけるのは禁止だそうですが、近づいてきてもらう分には自然のことなので大丈夫だそうですよ。

ハワイの海にはプライベートビーチがない!

そんなハワイの魅力を多く知る米倉さんに、ほかの海との違いを伺ってみると

「ハワイの海はリゾート地としてはとても珍しく、プライベートビーチがないんですね。米軍の基地などを除いて、ホテルとか個人が所有する部外者立ち入り禁止のビーチなどがないので、どこのビーチに行っても、地元の人もそのリゾートホテルに泊まっているお客様も一緒にビーチを楽しんでいます。そんなお金持ちだけがビーチを独り占めという状態がないのが、とてもフレンドリーでオープンでハワイらしいなと思って、私がとても好きなところです」

イルカやウミガメに癒される!?趣味で出場する遠泳レース

海が大好きな米倉さんは、趣味で「オープンウォータースイム」という遠泳レースに毎年出場しているそう。一体どんなレースなのでしょう?

「1.6kmぐらいから3.8kmぐらいまで色々と距離がありますが、ビーチ沿いや沖を泳ぐ遠泳レースです。時には、強い逆流の中とか高い波の中といった過酷な環境で泳ぐこともありますが、波の穏やかな日だとイルカちゃんとかウミガメちゃんとかの海の生き物を眺めながら、のんびりゆっくり綺麗な海を泳げるとても楽しいスポーツです。もちろん、レースのオフィシャルの方達やライフセーバーの方たちが守ってくれる状況で泳げるので、とても安心して泳げます」

米倉さんが注目!「海×テクノロジー」を行う日本人

そんなさまざまなハワイの海を知る米倉さんに、「ハワイの海の可能性」について伺ってみると、シリコンバレーで起業し、ハワイでAIを活用した魚の養殖を行っている日本人がいらっしゃると教えて下さいました。

「水中画像をAIで解析し、生け簀の中のお魚の数や育成状況などを効率的に環境を守りながら、おいしいカンパチを育てるという取り組みが行われていて、とても興味深く見守っております。もともとハワイの海は、とても透明度が高くて水質汚染が少ないので、カメラで画像をキャプチャーしたり、それを解析したりがやりやすいそうです。さらに、寄生虫リスクも減らせます。そして、ハワイは島の外から持ってくる食料がとても多いので、自給率を上げることに貢献できる。そんな取り組みが行われています」

海面上昇の影響で将来はハワイの不動産がピンチに!?

先進的な取り組みも行われている一方で、ハワイの海ならではの課題もあるとおっしゃいます。それが「海面上昇」です。その影響により「2050年には40%のビーチが消失してしまう可能性がある」とハワイ大学が発表。米倉さんもその影響をすでに実感しており、危機感を抱いていらっしゃいました。

「昨年、大きなニュースとして取り上げられたんですが、ノースショアの砂地の上に建っていた家の土台が、波に浸食されて、最終的に家がビーチに落っこちてしまうという事件がありました。こういった波による土台の侵食というのが、実際に起きているんですね。それから、『キングタイド』と呼ばれる大潮の日には、波がビーチラインを越えて陸地とか芝生に流れ込んでしまうことも起きています。将来的には、オーシャンビューが価値だったハワイの不動産が、海面上昇により価値を失ってしまうことが起こるかもしれません」

米倉さんが考えるKnow The Seaとは?

最後に、米倉さんが考える「海を知るために重要なこと」について伺ってみると

「海を知るために私が大事だと思うのは、陸から眺めているだけではなくて、海の中に入って海を体感するっていうことかなと思います。それは例えば、海の生き物を見ることもそうです。また、風とか波とか潮の流れとかを体で感じることもそうです。そうすることで、海の面白さも怖さも、もっと身近なものになるんじゃないかなと思います」

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